近年、高齢化が進み、高齢者人口はますます増加しています。高齢者の中でも、障害のある高齢者は社会において最も脆弱な立場にあり、在宅介護において多くの困難に直面しています。
訪問介護サービスは大きく発展しましたが、従来の手作業によるサービスに頼り、介護スタッフの不足や人件費の高騰といった要因の影響を受けているため、在宅介護における障害高齢者の困難は大きくは変わりません。在宅で自立した障害高齢者を円滑にケアするためには、リハビリテーションケアという新たな概念を確立し、適切なリハビリテーションケア機器の普及を加速させる必要があると考えています。
全身に障害のある高齢者は、日常生活をベッドで過ごしています。調査によると、現在在宅介護を受けている障害のある高齢者のほとんどは、ベッドで寝たきりの状態です。高齢者は不幸なだけでなく、尊厳を失っており、介護も困難です。最大の問題は、「介護基準」で2時間ごとの寝返りが定められていることです(たとえ親孝行をしても、夜間に規則的に寝返りを打つことは難しく、寝返りが間に合わない高齢者は床ずれを起こしやすいのです)。
私たち健常者は、基本的に4分の3の時間は立っているか座っている時間であり、ベッドにいる時間は4分の1だけです。立っているときや座っているとき、腹部の圧力は胸部の圧力よりも高くなり、腸がたるみます。ベッドに横たわっているとき、腹部の腸は必然的に胸腔に向かって逆流し、胸腔の容積が減少して圧力が高まります。あるデータによると、ベッドに横たわっているときの酸素摂取量は、立っているときや座っているときよりも20%少なくなります。そして、酸素摂取量が減少すると、その活力も低下します。このことから、障害のある高齢者が長期間寝たきりになると、その生理機能は必然的に深刻な影響を受けます。
長期にわたり寝たきりの障害高齢者をケアし、特に静脈血栓症やその合併症を予防するためには、まず看護観を転換する必要があります。従来の単純な看護をリハビリと看護を組み合わせたものに転換し、介護とリハビリを密接に結びつける必要があります。つまり、単なる看護ではなく、リハビリ看護なのです。リハビリケアを実現するには、障害高齢者のリハビリ運動を強化する必要があります。障害高齢者のリハビリ運動は主に受動的な「運動」であり、「スポーツ型」のリハビリケア機器を用いて障害高齢者が「動く」ことを可能にする必要があります。
まとめると、自宅で自立介護する障害のある高齢者をしっかりとケアするためには、まずリハビリケアの新たな概念を確立する必要があります。高齢者が毎日天井を向いてベッドに横たわっている状態を放置してはいけません。リハビリと介護の両方の機能を備えた補助器具を用いて、高齢者が「運動」できるようにします。「ベッドから頻繁に起き上がり、動き出す(立ち上がって歩くことさえも)」ことで、リハビリと介護の有機的な融合を実現します。実践では、上記の機器の使用により、障害のある高齢者のあらゆる介護ニーズを高品質で満たすと同時に、介護の難易度を大幅に軽減し、介護の効率を向上させることができることが実証されています。「障害のある高齢者の介護はもはや困難ではない」という実感を得られるだけでなく、さらに重要なことに、障害のある高齢者は、利益、幸福、そして長寿の実感を得られるのです。
投稿日時: 2024年1月24日